文理選択でもう迷わない!「どっちも学ぶ」が新常識になる2027年度の注目大学・学部を徹底解剖

「文系に進むか、理系に進むか」 高校生になって直面するこの大きな決断に、今、頭を悩ませていませんか?
「数学が苦手だから、消去法で文系かな……」 「実験とかプログラミングは楽しそうだけど、ガチガチの理系学部はついていけるか不安」
そのように自分の得意・苦手だけで進路をふたつに切り分けようとしているなら、少しだけ待ってください。
大学入試では、変化が起きています。これまでの「文系・理系」という古い境界線が、崩れ始めているのです。その変化の集大成とも言えるのが、2027年度の大学入試です。
首都圏の注目校を中心に、これまでの常識を覆す「新しい大学のカタチ」をご紹介します。これを読み終える頃には、進路に対する見方が180度変わっているはずです。
目次
「文理融合」が始まる!2027年度 新設&リニューアル学部
2027年、新しい学部が次々と誕生します。キーワードは「文理融合」、そして「データサイエンス」です。
特に注目すべき大学の動きを見ていきましょう。
①東京大学:約70年ぶりの新学部「カレッジ・オブ・デザイン(UTokyo College of Design)」
日本の最高峰である東京大学が、2027年9月、約70年ぶりとなる新しい学部、「カレッジ・オブ・デザイン」を開設します。
文系・理系の枠を完全に超え、気候変動や格差問題といった「答えのない複雑な社会課題」に対し、新しい仕組みや未来のあり方を広く設計(デザイン)する力を育む場所です。
この学部は秋入学(9月入学)で、半数は国際バカロレア(IB)やSATを活用し留学生・帰国生を主に募集、もう半数は大学入学共通テストや面接で合否判定を予定しています。また、どちらの選抜方式であっても、英語でのエッセイやビデオ課題の提出を求めるとしています。既存の「5教科7科目のペーパーテストで高得点を取る」という平均的な秀才ではなく、突出した探究心や行動力を持つ学生を求めている、まさに東大の歴史的転換点となる注目学部です。
ただし、既存学部(各科類)の一般選抜の受験を予定している人は注意が必要です。2027年度入試より東京大学の一般選抜の定員から、カレッジ・オブ・デザインの定員分が削減されることが発表されています。
②中央大学:「スポーツ情報学部」
2027年4月、中央大学が「スポーツ情報学部」を新設予定です。「データサイエンスコース」「スポーツビジネスコース」の2つのコースが設置されます。
データサイエンスとビジネスの文理横断・融合型の学びにより、AI・データサイエンスに関する知識や技術を身につけられる学部です。社会における問題を解決する糸口を発見・解決することで、新たな価値を創出することができるデータ活用人材を育むことを目的としています。
学部別一般方式は2種類あり、理系型で62名、文系型で38名を募集予定です。募集人員は、2つのコースと連動した募集設定が行われます。その他、大学入学共通テスト利用方式・外部英語検定試験利用方式や各種の学校推薦型・総合型選抜も実施が予定されています。
選抜方法別の募集人員の内訳は、下記をご参照ください。
参照:中央大学 入試情報
③横浜市立大学:「データサイエンス学部」のリニューアル
首都圏の公立大学として、いち早くデータサイエンスの専門学部を立ち上げた先駆者・横浜市立大学。2027年度入試から、この看板学部がさらに時代に合わせて募集定員の拡充を予定しています。既存の一般選抜の定員増加だけでなく、公募制の学校推薦型選抜も新設されます。また、総合型選抜も募集定員が増え、大学入学共通テストは課さないという変更も発表されました。
デジタル化やAIの進展の中で、数理・デジタル分野の専門人材やAI等のデジタル技術を活用して、新たな価値を創出する人材の不足が見込まれています。横浜市立大学のデータサイエンス学部ではこのような社会の変化を見据えて、時代の要請に応える人材を育成・輩出するため、2027年度からカリキュラムも変更されることになりました。
単に数理・統計・計算機に関する知識と技術を学ぶだけでなく、それらを応用して文系的な社会課題の解決へ直接アプローチできるのが最大の魅力です。「公立の落ち着いた環境で、最先端のデジタル武器を身につけたい」という高校生にとって、間違いなく2027年の注目大学になるでしょう。
3,000億円以上を投じる国家プロジェクト!「大学・高専機能強化支援事業」ってなに?
文系・理系の枠に収まらない新しい学部が誕生している背景には、文部科学省が推し進める「大学・高専機能強化支援事業」の存在があります。
これは「国が3,000億円以上の基金をつくって、デジタルや環境、AIなどの『これから世界で絶対に必要になる分野』の学部を新しく作る大学に、国のお金を補助して応援するビッグプロジェクト」です。
いま、日本では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「グリーン(脱炭素・環境)」の技術を持った人材が、まったく足りていません。このままでは日本が世界に置いていかれてしまうという危機感から、国は「理系や文理融合の定員を増やしたり、文系学部を時代に合わせた新学部へとガラリと変身させたりする大学には、資金を援助します!」と宣言したのです。
先ほど紹介した中央大学や横浜市立大学も、国のバックアップを受けて動いています。つまり、いま新設されるデジタル分野やグリーン分野の学部の多くは、「国がお墨付きを与え、予算を投じて、最新の設備と最高の教授陣を揃えた期待の星」なのです。ここに進学することは、最先端の学習環境を手に入れられることを意味しています。
学部でも学科でもない?新時代の学び場「学環」って?
2027年度入試を調べるなかで、もうひとつ、聞きなれない言葉が出てくるかと思います。それが「学環(がっかん)」です。
青山学院大学が2027年4月に新設を構想している「統計データサイエンス学環」などがその代表例ですが、「学部や学科と何が違うの?」と疑問に思いますよね。
「学環」とは、一言でいえば「学部の壁を壊し、良いとこ取りができる『ハイブリッドな教育組織』」です。
これまでの大学は、縦割りの構造でした。「法学部」「経済学部」「理工学部」などがそれぞれ独立していて、経済学部の学生が理工学部の専門的な授業を受けることは簡単ではありませんでした。
しかし、現代の社会課題は、一つの学問だけでは解決できません。たとえば、AIを使った新しいビジネスを立ち上げるには、プログラミング(理系)の知識だけでなく、法律(文系)やマーケティング(文系)の知識も必要になります。
そこで登場したのが「学環」です。
【従来の縦割り構造】
[法学部] ── [経済学部] ── [理工学部]
※お互いの行き来が難しい
【新しい「学環」の構造】
[ 経済 ] [ 経営 ]
\ /
【 学 環 】 ── [データサイエンス]
/ \
[ 文学 ] [ 法学 ]
※既存の学部の枠組みを越えて、必要な知識を横断的に学べる!
青山学院大学の「統計データサイエンス学環」を例に挙げると、これは渋谷・青山キャンパス初の「理系の学士課程」ですが、単に数理的な計算を学ぶだけではありません。既存の5つの学部と連携します。
データサイエンスの高度な技術を学びつつ、文系学部の授業も柔軟にコーディネートして学べるため、卒業する頃には「数字にとても強いけれど、社会の仕組みや人間の心理も深く理解している」という、企業が喉から手が出るほど欲しい人材になれるのです。
既存の「文系学部」に起きている静かな革命
ここまで読んで、「新設の学部や学環が面白いのはわかったけれど、昔からある伝統的な学部はどうなの?」と思った方もいるでしょう。
実は、既存の伝統的な学部でも、受験生にとって注目すべき改革が進んでいます。
「文系学部」のデータサイエンス必修化・プログラム化
「私は完全に文系だから、歴史や文学、経済の理論だけを学びたい」という人も、これからの大学選びでは視点をアップデートする必要があります。
たとえば、2027年度に再編を予定している中央大学の経済学部では、社会経済学科のなかに「統計・データサイエンスプログラム」が組み込まれます。統計的手法などにより経済の実態を把握し、新たなビジネスチャンスを生み出すためのプログラムのひとつです。
いまや、早稲田大学や慶應義塾大学、明治大学などの主要私立大学でも、文系学生に対するデータサイエンスやAIリテラシー教育が「全員必修」または「全学共通プログラム」として急速に導入されています。「文系だからパソコンや数字は関係ない」という時代は完全に終わり、「文系の専門知識×デジタルという武器」を持つことが、主要私立大学のスタンダードになりつつあるのです。
文理選択に悩むあなたへ。境界線のない未来へ踏み出そう
今回ご紹介した2027年度の学部新設の動向が示しているのは、大学側が「文系と理系で分けるはやめにしよう」と、壁を壊しつつあるという事実です。
これからの時代に求められるのは、「社会のこの問題を解決したい」「こういう面白いサービスを作りたい」というワクワクする目的(文系マインド)を持ち、それを実現するためにテクノロジーやデータという道具(理系スキル)を賢く使いこなせる人です。
もしあなたが文理選択に悩んでいるなら、それはあなたが「どちらの要素も持っている、これからの時代に最も必要な人材」だからかもしれません。
2027年度の大学入試は、そんな欲張りな好奇心をそのまま受け止めてくれる選択肢にあふれています。古い枠組みに自分を当てはめる必要はありません。新しく生まれ変わる大学の熱いメッセージをキャッチして、自分だけの自由な未来をデザインしていきませんか?
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