【中学受験・算数】センス不要!「立体図形」が得意単元に変わる勉強法

栄光ゼミナールで算数を教えている中学受験のプロに、「苦手な子が多い単元」を聞いてみました。
1位:場合の数
2位:図形(平面図形・図形の移動・立体図形)
3位:割合と比
今回は第2位「図形」の中から「立体図形」について、苦手を得意に変えるヒントをご紹介します。立体図形の問題は「空間認識能力や特別なセンスがないと解けないのでは?」と諦めてしまいそうになりますが、実はそんなことはありません。図形が得意になるかどうかの差はセンスではなく、単に「どれだけの数の問題を解いてきたか」と「正しい解き方を知っているか」の差に過ぎないのです。
今回は、中学受験の算数における立体図形の特徴と、なぜ多くのお子さまが苦手意識を持ってしまうのか、そして苦手を得意に変えるためにはどうしたらよいのか、基本的な解き方のコツを分かりやすく解説します。
目次
1. 中学受験算数における「立体図形」の壁
そもそも、「立体図形」とはどういう単元なのでしょうか。
立体図形とは、柱体(立方体・直方体・三角柱・円柱など)や錐体(四角錐・円錐など)、あるいは球といった「3次元の図形」の性質を理解し、体積や表面積、切断面の形、水深の変化、回転体の体積などを計算で求める単元です。
平面図形(2次元)に高さや奥行きが加わるため、出題される問題のパターンも非常に多岐にわたります。
なぜ、立体図形が苦手な子が多いのか?
子どもたちが立体図形に苦手意識を持つ最大の理由は、「紙(2次元)の上に描かれた立体(3次元)を読解しなければならない」という点にあります。
テストの紙面に書かれている図形は、あくまで平面の「絵」です。そのため、以下のようなことが起こります。
- 図形の見た目に騙される(90度のはずの角が、斜めに書かれているため鋭角や鈍角に見えてしまう)
- 見えない部分(奥や裏側)を想像できない
- 立体を切ったときの「切断面」が頭に浮かばない
また、「手を動かさずに頭の中だけで解決しようとする」ことも苦手意識を加速させる原因です。ここであきらめず、正しい考え方と作図の習慣を身につければ、攻略できる単元へと変えることができます。
2. 立体図形を攻略! 3つの基本ステップ
ここでは、立体図形が苦手なお子さまでもすぐに実践できる方法を3つご紹介します。
ステップ1:図形をフリーハンドで「描き写す」
図形の問題を得意にする第一歩は自分自身の手で図形を描き写すことです。実際に手を動かして写す過程で、「この面とこの面は平行だな」「ここは直角になるんだな」といった構造上の重要な気づきや発見が生まれます。
作図の際は定規を使わず、「フリーハンド」で手早く描く練習を積みましょう。ほとんどの中学入試では定規などの器具を使えないため、普段から素早く正確な図形をかく力を養うことが本番での大きなアドバンテージになります。
また、手を動かすことで、立体の構造(頂点・辺・面の数)が頭の中で整理され、ケアレスミスや見落としが減少します。
ステップ2:「平面」に落とし込んで考える
立体図形を立体のまま扱おうとすると、一気に難度が上がります。攻略のコツは、「立体を平面に落とし込むこと」です。特に中学受験でよく出題される「水量・水位の変化」や「立体の切断」、「投影図」では、このアプローチが不可欠です。
- 水量・水位の変化: 水槽を正面から見た「長方形」としてノートに書き、水の深さや容積の変化を考える。
- 立体の切断:切断面を「平面図」として書き出す。
- 投影図: 立体を「上から見た図」「前から見た図」「横から見た図」の3つに分解して整理する。
「複雑な立体のまま悩まず、平面図形で考える」という意識を持つだけで、正答率は向上します。
ステップ3:公式の「丸暗記」でなく、「なぜそうなるか」仕組みを理解する
例えば、円錐の側面積を求める公式「母線×底面の半径×円周率」など、公式を丸暗記していると、応用問題が出た瞬間に太刀打ちできなくなります。近年の入試では単なる計算力だけでなく、本質的な「思考力」や「仕組みの理解」を問う問題が増加しているためです。
なぜ「母線×底面の半径×円周率」が成り立つのか。円錐の展開図を描いて「おうぎ形の弧の長さ=底面の円周の長さ」という仕組みと「円錐の側面積=母線×母線×円周率」を組み合わせて公式を作れる、という本質を理解すること。これが入試本番で初見の問題に出会ったときにも対応できる「本当の応用力」を養う鍵となります。
3. 実践!「立体図形」例題&解説
では、立体図形の表面積を求める問題にチャレンジしてみましょう。
【例題】
下図は2つの直方体を組み合わせた図形です。表面積は何cm2ですか。

【解答&解説】
この問題の解き方は2つあります。
解き方①:前後・左右・上下の見え方を考える方法
複雑な立体も、「正面・横・真上」といった平面から見たらどう見えるかを取り出して考えると一気に解きやすくなります。
前後:前から見た面積と、後ろから見た面積は同じ⇒(6×5+4×3)×2=84cm2
左右:左から見た面積と、右から見えた面積の和は同じ⇒6×5×2=60cm2
上下:上から見た面積の和と、下から見た面積は同じ⇒5×8×2=80cm2
これらを合計すると、84+60+80=224cm2 と求められます。
解き方②:手前の面を底面とし、「六角柱」として考える方法
この図形を手前の「L字型の面」を底面とした「高さが5cmの六角柱」と捉えるアプローチです。
底面の周りの長さ×高さより、側面積を求めます。
側面積:(6+8)×2×5=140cm2
表面積:140+(6×5+4×3)×2=224cm2
と求められます。
まずは解き方①をしっかりと理解しましょう。その後、解き方②まで身につければ、受験生としていうことなしです!
4. まとめ:立体図形は「手を動かして」得意になろう!
中学受験の算数において、「立体図形」は重要単元の一つです。しかし、決してセンスやひらめきが必要不可欠なわけではありません。差がつく理由は、「自分の手を動かして図を描き、どれだけの数の問題を解いてきたか」です。
テキストの問題で繰り返し練習し、解法の引き出しを増やしていけば、今まで苦手だった立体図形は「得点源」へと変わっていきます。
ただ、立体図形の問題に苦戦しているお子さまに、保護者の方が説明するのはなかなか難しいこともあるかと思います。焦って教えて喧嘩になってしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
栄光ゼミナールでは、講師の目が行き届く10名程度の少人数クラスで授業を行っています。講師がお子さまとの近い距離で手元のノートや表情までしっかり見守るため、「どこでつまずいているか」「どう図形が見えているか」を正確に把握した上で、適切なアドバイスとフォローが可能です。
一人ひとりの理解度やレベルに合わせた親身な指導と、仲間と切磋琢磨できる環境があるからこそ、「問題が解ける楽しさ」が実感でき、成績アップへとつながります。お子さまが立体図形の問題が苦手でお困りの方は、ぜひ一度お近くの栄光ゼミナールへご相談ください。
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