総合型選抜・学校推薦型選抜をわかりやすく解説!受かるために必要なこととは?

更新日:2023/11/17

今回は「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」の選抜方法について詳しく解説します。総合型選抜も学校推薦型選抜それぞれの特徴を理解することで、自分に合った入試方法で受験することができます。様々な方法がある大学入試ですから、自分の力が一番発揮できるものを選べるといいですね。

目次

総合型選抜とは?

AO入試と呼ばれていた入試方法が、新たに「総合型選抜」と名称を変えました。
学習意欲や大学への適性・能力など、受験生の未来の可能性を評価する選抜で、基礎学力重視に転換しています。特に大学が入学者の受け入れ方針(アドミッションポリシー)明確にし、それに基づいた選考が求められています。

アドミッションポリシーとは

各大学・学部・学科が設定している、「どんな学生に来てほしいか」という方針のことです。これを読むことで、大学がどんな学生を求めているのか、を知ることができます。

例えば、グローバルに活躍する人材を育成することを掲げている大学に、日本の地域活性化を目指している学生が入学したらどうでしょうか?身につけたい知識や考え方にずれが生じることになりそうです。
このように、自分が目指している方向性と、アドミッションポリシーが合致している大学に進学することで、進学後も違和感なく学問にはげむことができるとも言えます。

総合型選抜の選抜方法

総合型選抜では、学力の有無だけではなく、学生の意欲・素質・大学との適合性などを総合的に判断されて合否が決まります。そのため、選考方法も多面的に能力を測れるようなものが採用されています。

調査書

調査書の提出も必要です。「調査書」とは、受験者本人の高校生活での学業成績や学習態度などについて教員が記述する文書のことで、内申書とも呼ばれています。大学側は、入学後の学びを積極的に行えるポテンシャルのある学生を求めています。それを見分けるための資料が「調査書」です。大学の入学者選抜の参考資料として使われ、これまでのAO入試・推薦入試でも提出が義務付けられていました。

2020年度からこの「調査書」の記載内容が見直され、これまでのような評定平均値だけではなく、特長や特技、部活動やボランティア活動、留学・海外経験、取得資格・検定、表彰の記録などの様々な取り組みを、より詳細に記入する形になりました。高校生活において、課外活動も重要な大学入試対策になるということです。大学で学びたいことを探りながら、興味のある事柄には積極的に取り組んでいきましょう。活動の積み重ねが自己アピールにもつながりますし、何よりもかけがえのない経験として、その後の人生を有意義にしてくれるでしょう。

また、学業成績についても良し悪しのみならず、志望学部の基礎科目を履修しているか、好成績をキープしていたか、成績を徐々に上げた努力が見られるかなど、履修状況や成績の推移まで選抜基準に組み入れる大学が増えています。そうなると、学部・学科の選択や進路を早い時期から定め、文理選択や科目選択に注意を払うことも重要になります。
では学業成績の重要度が下がったのか、というとそうではありません。大学によっては、出願に際し基準となる評定平均を設定しているところもありますし、評定平均が高ければ選考で有利になる場合もあります。一般選抜ではないからこそ、高1のころからしっかりと良い成績を収めるのが大切です。

各大学が行う評価方法

小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目にかかるテスト、資格・検定試験の成績など、様々な方法で、多面的に受験生を評価します。
特に総合型選抜において、大学の入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)を理解しているかどうかは大切なポイントです。アドミッション・ポリシーは大学・学部・学科により異なるので一概にはいえませんが、志望大学・学部(学科)に関する強い興味と学習意欲があるか、志望大学(学部)の教育方針を理解して入学を希望しているか、ゼミをはじめ入学後の授業においてリーダーシップを発揮できるかなど、意欲が選考のポイントになります。

特徴的な選抜

講義を理解する力、自分の意見を発表する力、対話力など、大学で学ぶためにはさまざまな能力を備えていなければなりません。そうした力を測るため、ユニークな試験を課す学校もあります。

①講義型…模擬講義を受講し、その内容をまとめた提出物(レポートや小論文など)をもとに選考する試験です。

②プレゼンテーション型…与えられたテーマに基づき、指定時間内に発表を行う方式です。発表後は質疑応答もあり、その内容も含め総合的に評価されます。

③対話型…大学教員との面談を課す選考方法です。志望動機や入学への意欲、入学後の抱負、学習計画、希望する進路などが問われます。また、基礎学力を試すために、志望学部に関連した口述試験のような質問をする大学、受験生の能力を吟味するために面接を複数回行う大学もあります。志望大学の過去面接例を確認し、あらかじめしっかりと準備しておきましょう。

大学入学共通テストの活用

2021年度入試からも、基礎学力を確認する目的で、「大学入学共通テスト」の結果を提出させる大学があります。一般選抜を利用しない場合も「大学入学共通テスト」の対策は重要です。
尚、前述の「各大学が行う評価方法」か「大学入学共通テスト」の、少なくともいずれか一方が必須になっています。

そのほかの提出書類

総合型選抜では提出しなければいけない提出物が多いことも特徴です。大学によって異なりますが、受験生本人が書いた「活動報告書」「志望理由書」「学修計画書」などを活用する場合が多いです。また、出願条件にオープンキャンパスや説明会への参加を必須としていたり、出願前にエントリーや面談が必要となっていたりなど、大学によって条件が異なります。早いうちから入試方法や必要な書類を確認し、準備を怠らないようにしましょう。

学校推薦型選抜とは?

公募制、指定校推薦、と呼ばれていた入試方法は「学校推薦型選抜」という名称にまとめられました。国公私立ともに、原則として学校長等の推薦に基づき、書類審査、面接、小論文などを中心に合否を決めるのが学校推薦型選抜です。従来の推薦入試と違い、基礎学力が重視されます。学校推薦型選抜は大きく「指定校推薦」と「公募推薦」に分かれますが、近年「自己推薦」などユニークな学校推薦型選抜が各校で実施されるようになっています。

指定校制

私立大学や公立大学の一部で行われており、大学が指定する高校に限って出願できます。指定校となる高校には推薦枠(定員)と推薦基準となる全体の学習成績の状況など成績基準が示されるほか、課外活動や出欠状況などの基準が示されることがあります。原則として校内選考が行われます。

公募制

大学が定めた出願条件を満たしていれば、どこ高校からも出願できます。国公立の場合、共通テストを課す場合と課さない場合があります。

学校推薦型の選抜方法

大前提として、自分が通う高校から推薦をもらう必要があります。そのためには、学業成績や課外活動などで良い成績を収めることが必要です。
無事に推薦をもらえ、出願したあとの選抜は調査書・推薦書など提出書類の書類審査が行われます。その後、総合型選抜と同様に「各大学が行う評価方法」「大学入学共通テスト」の少なくとも1つが課され、合否が決まります。

評定平均値

学校推薦型選抜で出願条件として設定されていることも多い評定平均値。

評定平均値とは、高校での成績を数値化したものです。高校1年生から3年生の出願直近までの成績(5段階評価)を全て足し、科目数で割ることで算出します。3年生になってから評定平均値を上げることは困難ですので、高校1・2年生からの定期試験対策が欠かせません。なお、「英語の平均値4.0以上」など、特定の科目の評定平均値の高さを出願条件に含める大学もあります。

総合型選抜と学校推薦型選抜の違い

総合型選抜と学校推薦型選抜のそれぞれの特徴を見てきました。ここで、2つを簡単にまとめて特徴を比較してみましょう。

総合型選抜・学校推薦型選抜のまとめ表
選抜方法:調査書に加えて、「各大学が行う評価方法*」または「共通テスト」のうち、少なくともいずれか一方を選抜の際に利用することが求められます。
【総合型選抜】受験生本人が記載した「活動報告書」「志望理由書」「学修計画書」などを積極的に利用する。【学校推薦型選抜】本人の長所だけでなく、学力の3要素に基づく評価が記載された推薦書の活用が必須。
出願受付開始:【総合型選抜】9月1日以降【学校推薦型選抜】11月1日以降
合格発表:【総合型選抜】11月以降、2月9日まで【学校推薦型選抜】12月1日以降、共通テストを課さない場合1月21日、課す場合2月9日まで
募集定員:【総合型選抜】制限なし【学校推薦型選抜】学部等の募集定員の5割未満
※各大学が行う評価方法…自らの考えに基づき論を立て記述させる評価方法(小論文等)、プレゼンテーション、口頭試問、実技、 各教科・科目にかかるテスト、資格・検定試験の成績など。

総合型選抜・学校推薦型選抜は併願できる?

総合型選抜・学校推薦型選抜は「専願制」であることが多いです。もちろん、不合格の場合は別の大学・学部を受験することができますが、合格した場合はその大学に必ず入学することが条件になっています。併願できる大学は数が少ないですが、志望校が併願可能な場合は受験機会が増えますので確認しておきましょう。
また、一部の大学では、学校推薦・総合型選抜の出願時期を複数回もうけ、2回以上の出願を認めています。中には複数回出願すると、受験料を割り引く大学もあるようです。同じ大学の試験を何度も受けられることはメリットですね。

総合型選抜・学校推薦型選抜の対策ポイント

資格試験対策

資格試験で一定の級や点数を取ると、大学受験では優遇される場合があります。総合型選抜や学校推薦型選抜では調査書の提出が必須ですので、そこに優遇されるような資格試験結果を記載できれば、合格に一歩近づくと言えるでしょう。
大学入試での資格試験優遇といえば、英語外部検定試験があげられます。大学の募集要項には「英検〇級以上」「TOEIC®520点以上」などの基準を記載しています。一般選抜の際にも活用できますので、高校1年生の時から意識しておくとよいでしょう。

出願書類の対策

出願書類は総合型選抜・学校推薦型選抜において、1次選考で使われます。書類の内容によって合否が左右されるとも言えます。

志望理由書

志望理由書とは、志望大学・学部で学びたい理由を、論理的に説明したものです。この書類をもとに面談・面接での意思確認が行われます。下記に示す3つのポイントを押さえ、説得力のある文章にしましょう。

入学後に学びたいこと

まずは大学で学びたいこと、取り組みたいこと、研究したいことを示します。将来就きたい職業に応じが学部選択をしている場合は、具体的な職業名を加えてもよいですね。その際、研究や学びの目的をはっきり書くことがポイントです。自分が進めたい研究や学びが他者や社会にどう役立つのかをしっかりと表現し、アピールしましょう。

学問を志す動機

上で書いた学問について、なぜ学びたいのか、自らの体験を起点に、その理由を書きましょう。どんな体験をして、どういった問題を発見したのか。そして、大学での学びによってどう問題が解決できるのかを考えてみましょう。
「家族や先生のすすめ」といった主体性を欠くものや、「楽しそうだから」といった感情だけに基づいた理由を示すのは避けましょう。あくまで自分の体験に基づいた、課題の発見や解決に向けた探求が志望動機のベースとなります。

志望先を選んだ理由

なぜ他の大学でなく志望先を選んだのかを述べます。パンフレットやオープンキャンパスなどから得た情報をもとに、具体的な授業名や学べる内容を記述しながら、学びに対する熱意を示しましょう。大学の先生や研究室のメンバーが研究している事柄から、やりたい研究や学びが実現できることを伝えてもよいでしょう。
なお、自宅からの距離、キャンパスの雰囲気、先輩の印象、学費などを理由にするのは、打算的かつ安易な学校選択をしている印象を与えるので、記述は控えてください。

自己PR文

自己PR文とは、あなたのよいところを志望大学に伝えるための文章のことです。4つのポイントを押さえ、上手にアピールしましょう。

アピールポイント

まずは、自分自身の長所やアピールしたい能力を述べます。大学側の「求める人物像」「アドミッション・ポリシー」に合っている長所やアピールポイントを探し、表現するとよいでしょう。ここで示す長所は、あなたがどういう「価値」を持ち、その価値を他者にどう提供できるのか、ということを表します。
自分の長所を一人で考えるのが難しい場合は、おうちの人や友達、塾の先生に聞いてみるのもよいでしょう。自分では気が付いていない長所を客観的に教えてもらえると、自分自身の分析も深まります。

長所を得た過程

どのように自己の長所やアピールポイントを得たのか、その過程を述べます。①自らにどういう問題・課題があり②その原因を分析し③どのように工夫や努力をし、克服して長所を得たのか、その経緯を示しましょう。この過程を書くことにより、具体的なストーリーを通して「受験者がどのような人物なのか」が採点者に伝わります。そのため、冒頭に書くアピールポイントは幼少期に身につけたものよりは、身につけた過程を細かく思い出せるものが良いでしょう。
また、「長所を得た過程」で、きっかけや体験を延々と述べるケースがあります。長所を得た際のポイントとなるところを手厚く述べ、そうでない点は圧縮したり削除したりするなど、字数の調整を行うように心がけましょう。

将来への抱負

「長所を学びにどう生かすのか」「長所をどう生かして社会貢献したいのか」など、抱負を示しましょう。このポイントを示すことで、いかにあなたが志望先にふさわしい人物であるのかをアピールします。

自己PR文でやってはいけないこと

自己PRでNGなのは、資格や実績の自慢や「仲間や先生のおかげで成長できた」など、他者のPRになることです。志望理由と関係ないことをPRすると面接で質問されたときに困ってしまいます。限られた文面で自分のすべてを伝えることはできません。大学に知ってほしいことを精査してアピールしましょう。

課外活動

高校生でも参加できるシンポジウムやワークショップの開催や、ボランティアの募集などの情報を積極的に収集してチャレンジしてみましょう。その他、スピーチコンテストなど、様々な競技会に参加して経験や実績を積むのもオススメです。

小論文・面接・グループディスカッションの対策

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