東京都の私立高校が実施する併願優遇とは?
更新日:2024/05/21第一志望は都立だよね?私立の併願って決めた?
都立しか考えてないから、すべり止め私立は偏差値で決めたよ。
併願優遇を使うんだよね?そんな決め方で大丈夫!?
でも、第一志望じゃないから適当でもいいかなって...。
適当は絶対ダメ!併願優遇は、第一志望の都立の結果が良くなかったときに必ず入学すると約束をする入試制度。第一志望と同じくらい真剣に選びましょう。
目次
東京都の私立高校が実施する併願優遇とは?
東京都内の私立高校が実施している入試の1つに「併願優遇」という制度があります。今回は併願優遇について解説します。
併願優遇はどんな入試?
実際の入試より前に、内申点でほぼ合格が決まる
併願優遇を利用するには大きく3つの条件があります。
①志望する私立高校が設定している内申点の基準をクリアする。
②中学の先生と私立高校の間で、併願優遇を利用することを事前に確認する。
③一般入試を受験する。
つまり、あなたの内申点がその私立高校の基準に達していれば、それだけでほぼ合格するということ。一般入試は受けなくてはいけませんが、点数はほぼ関係ないといっていいでしょう。
※ただし、高校によっては一般入試の点数に加点するところも。事前に制度を確認しておこう。
都立高校を併願できる
併願優遇の「併願」とは、都立高校も受けてよいという意味です。都立高校に合格すれば、併願優遇の私立高校を辞退して都立高校に入学することができます。しかし不合格になった場合は併願優遇を利用した私立高校に進学することになります。
併願優遇とは、私立高校が内申によって合格する可能性を高めてくれる代わりに、都立高校に不合格になった場合はその私立高校に入学すると約束するという受験制度です。
併願優遇の内申点の基準
9教科、5教科、3教科の評定を足した数字が基準になります。
例) 昭和第一高校 特進コース(2024年度入試)
3科13以上/9科35以上
基準は学校によってちがい、この例より高いところも低いところもあります。ホームページなどには掲載していない学校が多いので、塾の先生や中学校の先生に聞くか、その私立高校の説明会などに参加して確認しましょう。
併願優遇なら100%合格?不合格になることはないの?
100%合格するのか?と問われれば、答えはノーです。
当日の試験会場や面接であまりにひどい態度をとったり、白紙で答案を出したりすれば、不合格になることもありえます。試験当日は油断せずしっかりと自分の実力を発揮すべきでしょう。
併願優遇制度の意味
ここまでの話で併願優遇という制度は、都立高校が第一志望で、併願優遇を利用する私立高校が第二志望という受験生のためのものだということはわかったと思います。
この制度を利用することによって、進学先は都立高校かその私立高校のどちらかに決まります。つまり、都立高校を不合格になってしまったときにはその私立高校に進学することになるので、併願優遇で受ける私立高校は慎重に選ぶ必要があります。
※私立を第一志望にできる併願優遇制度もあります。
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東京都の私立高校の併願優遇を利用するには?
併願優遇利用の意思を中学の先生に伝える
受験生と私立高校の間を中学の先生がつなぐ入試制度なので、担任の先生に「この私立高校を併願優遇で受けたい」と伝えなくてはなりません。11月中には意思を固めて、そのことを先生に話しましょう。出願の条件を満たしていることが確認できれば、あとは担任の先生が動いてくれるはずです。
受けたい私立高校の学校説明会や個別相談に参加
志望する私立高校が開催する学校説明会や個別相談会には必ず参加しましょう。
参加を出願の必須条件にしている私立高校もあるので、入試要項の確認が必要です。学校によっては、内申点が基準に足りない場合でも、私立高校の先生と直接話をすると出願が認められるケースもあるので、気になることは直接聞いておくといいですね。
願書提出から合格発表までの流れ
では、併願優遇を利用する場合、いつ何をするのか、大きな流れを確認しておきましょう。
夏休み~10月
受験候補に考えている私立高校の学校説明会や個別相談に行く
併願優遇の内申の基準やその他の条件を確認するために、これは必須です。
11月
内申点が決まる
2学期の期末テストまたは後期の中間テストが終わると、仮の内申点が決まります。
11月
三者面談で担任の先生に併願優遇利用の意思を伝える
内申点が出るとすぐに三者面談が行われるので、そのときに併願優遇の利用について話し合います。この時点で、どの私立高校の併願優遇を受けられるか、だいたいの様子がわかります。
12月
中学の先生が私立高校の入試相談に行く
ここで生徒1人ひとりの併願優遇利用が確定します。
2月10日~2月12日
一般入試を受験する
欠席すると不合格になるので、必ず受験すること。合格はほぼ決まっているといってもいいですが、きちんとした態度で受験に臨み、実力を出し切りましょう。
受験教科は英数国の3教科が一般的で、面接の有無は学校により異なります。
東京都の私立高校の併願優遇のメリットとデメリット
メリット①第一志望の都立高校の受験勉強に専念できる!
これが一番のポイントですね。第二志望の合格可能性を高められるので、第一志望の都立高校の対策に集中でき、合格の可能性を上げることができますよ。
メリット②入学金納入を待ってくれる
都立高校の合否が出るまで手続きを待ってくれるので、都立高校に合格、進学する場合は、入学金などを納入しなくても問題ありません。延納手続きが必要な場合は必ずやっておくようにしましょう。
デメリット①併願優遇のない高校もある
すべての高校で併願優遇があるわけではありません。行きたいと思った高校に併願優遇がない場合は、一般入試で合格を勝ち取る必要があります。早めの情報収集が大切です。
デメリット②私立高校を1校しか受験できないことも
併願優遇を導入している高校では、ほかの私立高校との併願を認めていない学校もあります。例えば、第一志望校は都立校、第二志望は私立A校、第三志望は私立B校だったとします。A校に併願優遇がなく、B校に併願優遇(ほか私立校の併願不可)があった場合、B校の併願優遇を使いA校をあきらめるか、A校もB校も一般入試を受験するというパターンがあります。
自分にとってどの選択が良いのか、しっかり考えておきましょう。
併願優遇を利用するなら、高校選びは慎重に!
何度も書いていますが併願優遇を利用すると、都立高校が不合格になった場合は、その私立高校に行くことになります。
そのため、併願優遇の学校選びは通学することを考えて真剣にやらなければなりません。
そして、併願校選びは慎重に...と何度も言うには理由があります。都立高校の入試は厳しいからなのです。
都立高校入試の入試状況について
都立高校が第一志望の人は、都立高校がどの程度厳しいのか知っているでしょうか。
近年、「前よりも都立高校は入り易くなった」とか「普通科で3次募集まで行った学校があったらしい」など、耳にした人もいると思います。
それは事実。
でも、入りやすいというのは最も厳しかった時期と比べての話で、受験生が全員志望校に合格できるわけではありません。以下の表は令和6年度の都立高校の入試結果の表です。
推薦に基づく選抜 | 学力選抜 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
受験 | 合格 | 倍率 | 受験 | 合格 | 倍率 | ||
普通科系 | 普通科 | 16,093 | 5,600 | 2.86 | 29,475 | 21,279 | 1.39 |
コース制 | 253 | 96 | 2.64 | 341 | 229 | 1.49 | |
単位制 | 1,500 | 507 | 2.96 | 2,905 | 2,166 | 1.34 | |
専門学科 | 3,874 | 2,345 | 1.55 | 4,284 | 3,702 | 1.16 | |
総合学科 | 1,629 | 714 | 2.28 | 2,049 | 1,618 | 1.27 |
都立高校は、推薦と学力選抜の2度のチャンスがありますが、推薦はとても狭き門なので、合格者は約3人に1人となります。
多くの人が受験する学力選抜の倍率は推薦より低いものの、それでも1.39倍なので残念ながら不合格になる生徒もいます。決して油断はできません。
3年間を通う高校になるかもしれない、だからこそ併願校選びがとても重要なことがわかりましたでしょうか。
第一志望校と同じぐらいの気持ちで、通学時間、大学進学率、校風などをしっかりチェックしましょう。
実は、併願優遇制度を用意しているのは、中堅までの私立高校が中心で、上位校は制度があっても基準が高く、利用できる受験生が限られる場合が多いです。受験校の選定で迷ったら、学校や塾の先生に相談してみましょう。
栄光ゼミナールの都立高校受験対策について
栄光ゼミナールの高校入試対策コースでは都立高校受験に対応できる学力の養成と調査書点(内申点)のための定期テスト対策など、志望校合格のためのサポートを行っています。
定期的な面談で、進路相談も充実。豊富な情報量により、1人ひとりの希望にあった学校の紹介や併願優遇制度の解説もいたします。
豊富な指導実績に基づく進路指導
栄光ゼミナールは毎年数多くの中学3年生を志望校へ導いています。
そのため、近隣高校の情報はもちろん併願優遇制度の情報も豊富です。併願校選びなどのお悩みがでてきましたら、ご相談ください。
どんな高校に通いたいか、どのような高校生活を送りたいか、などの要望を伺い、希望に沿った高校をご紹介いたします。
栄光ゼミナールは偏差値の高い高校を目指すのではなく、生徒1人ひとりの夢がかなえられる高校に進学し、充実した高校生活を送れるようにサポートしています。
定期テスト対策も充実
都立高校の入試は中3の内申点が重要です。
しかし、中3だけ頑張っても上がるものではありません。中学1・2年生から定期テスト対策をきちんと行うことが3年生の成績を作っていくのです。
栄光ゼミナールでは、定期テストで高得点をとれるよう指導を行っています。
栄光の高校受験対策では都道府県によって異なる高校入試の制度や出題傾向、最新の受験情報をもとに、進路指導を行ったうえで目標達成に必要な学習プランを作成し、苦手対策、定期テスト対策、志望校対策も、講師が生徒1人ひとりに寄り添って指導します。少人数で発言や質問がしやすく、仲間と切磋琢磨しながら成長できるグループ指導と、先生と隣り合わせでわからないところや苦手を中心に、自分のペースで学習を進められる個別指導があります。自分に合った指導形態で合格に向かって効率よく学習を進めることができます。家庭学習指導にも力を入れており、志望校合格に必要な学習内容をご提案。また、模試の結果を細かく分析したうえで苦手分野を徹底的に対策することで成績向上につなげます。
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